公明党の議員事務所を舞台にした融資口利き事件は、「ホープ」と言われた遠山清彦・元衆院議員、「秘書会トップ」とされた元秘書の在宅起訴に発展した。クリーンな政治を売りにしてきた公明だが、ヤミ金融を想定した貸金業法違反罪が議員事務所に適用される異例の事態となった。
遠山元議員 「日本政策金融公庫の窓口紹介はコロナ前からやっていた。国民生活のためです」
検事 「いやぁ公庫が作ったリストを見ましたが、他の議員の何倍の半端ない数でしたよ」
事情聴取で検事に切り返された遠山元議員は苦笑するしかなかった。
公庫などの窓口紹介は永田町で「仕事の一つ」と言われる中、1年3カ月で111件という反復継続性に約1千万円の手数料が伴い、「業」と認定された。
遠山元議員は創価高校、創価大と進み、英国に留学して平和学で博士号を取った。2001年の参院選で初当選すると、2期目途中に衆院にくら替えし当選4回を重ねた。外務大臣政務官や財務副大臣を歴任し、中堅議員が少ない党内で「次世代のリーダー」と目されてきた。だが今年2月、緊急事態宣言中に深夜まで銀座の高級クラブにいた問題で辞職した。
「特捜部に調べられている」 突然の辞職
今回の事件の端緒は太陽光関連会社「テクノシステム」(横浜市)事件だった。特捜部は5~7月、融資金の詐欺罪で社長らを逮捕・起訴した際、社長が資金繰りを相談していた2人のテクノ社元顧問の自宅や会社も捜索した。
1人は牧厚元顧問。7、8年前に元都議の紹介で遠山元議員と知り合い、年に平均で約500万円を「裏献金」していたという。押収した牧元顧問の手書きメモや供述から、コロナ融資の口利きの実態が見えてきた。
もう1人は川島裕元顧問。多…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル